夢の富士登頂

夢を叶えるブログ

清潔な父親の裏の顔

私の父は、掃除、片付けが苦手な人です。

以前、父が単身赴任していた頃、月に一度は母が父の部屋を掃除しに行っていました。
しかし、母も色々忙しく、一ヶ月から二ヶ月掃除に行けなかった事がありました。
そんな母が長期間掃除し損ねた部屋に、私は一人で遊びに行ってしまいました。
部屋に足を踏み入れると、そこは魔境でした。人一人が暮らすだけで、多少掃除をしないだけでこんな事になってしまうのか
これは夢なのか、とてもじゃないけどこんな所には泊まれないと、自宅に帰ってきました。

あの日見た光景で唯一覚えているのは、父がいつも寝ているであろう布団の右側、父の手の届く範囲に
タバコ、灰皿、お菓子、コーヒーカップなど、父の必需品が半円状に配置されていた事だけです。
あとは記憶から消し去りました。父は営業マンということもあり、普段の身だしなみはキチンとしており
お風呂と歯磨きが大好きな、どちらかというと綺麗好きな人だと思っていました。
思春期の頃も、間違ってもお父さん臭いと言える要素もなく、清潔な父でした。
そんな父が、あんな魔境で普通に暮らせる人だなんて。しかし、母に言わせると、「お父さんてそういう人よ」と。

なんでも一人暮らしをしていた学生の頃や結婚後も、私を出産するため母が里帰りしていた時など
度々、祖母が掃除にきていたそうです。考えてみると、我が家では毎日、母が父の脱いだ物、食べた物全てを回収しています。
サラリーマンの戦闘服であるスーツ、ワイシャツ、ネクタイもサイズは勿論
お気に入りのメーカーも自分では把握しておらず、全て母任せです。
私が知る清潔な父は、母によって保たれていたのです。